長崎市の南端に位置する野母崎(のもざき)。この地は美しい海岸線や軍艦島(端島)を望める絶景スポットとして知られています。しかし、地元の漁師や住民の間では、「軍艦島の亡霊が流れ着く」という不気味な噂が囁かれています。

軍艦島と幽霊船の伝説
軍艦島はかつて炭鉱の島として栄え、最盛期には5,000人以上が暮らしていました。しかし、1974年の閉山後、島は無人となり、今では廃墟の姿をさらしています。そんな軍艦島の近海では、「夜になると無人の船が現れる」という目撃談が後を絶ちません。船の影が海面を滑るように進み、近づこうとするとスッと消えてしまうのだとか。
この幽霊船はかつて軍艦島で働いていた炭鉱夫たちの魂が乗っていると言われています。事故や過酷な労働環境の中で亡くなった人々が、今でも帰る場所を求めて海をさまよっているのかもしれません。
野母崎の浜に現れる影
軍艦島を望む野母崎の浜辺では、時折**「夜に人影が歩いている」**という目撃談があります。しかし、その影をよく見ると足が砂に沈んでおらず、まるで宙を浮いているように見えるのだとか…。地元の人々は、これは軍艦島で亡くなった人々の霊が、野母崎に流れ着いたのではないかと噂しています。
また、ある釣り人の話では、夜釣りをしている最中にふと沖を見ると、暗闇の中にぼんやりと光る人影が立っていたそうです。驚いて目をこすった次の瞬間、その影はすっと海の中へと消えていったとか…。
軍艦島と野母崎をつなぐ“見えない橋”
地元の年配者の中には、**「軍艦島と野母崎の間には、霊だけが渡れる橋がある」**と語る人もいます。この橋を渡って、未練を残した魂が野母崎にたどり着き、人知れずさまよっているのではないか…。
夜の野母崎に足を運ぶ際は、波の音にまぎれて何かの囁き声が聞こえてこないか注意してみてください。もしかすると、それは軍艦島からやってきた者たちの声かもしれません…。
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